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← 今日のニュース2026.08.14 / Fujin編集約7分で読めます

AIを使える人より、「社内に広げられる人」を育てる——東大松尾研が無料講座

AIを一人で使える人は増えました。でも、同僚へ安全な使い方を説明し、実際の業務へ定着させられる人はまだ多くありません。東京大学の松尾・岩澤研究室が育てようとしているのは、その橋渡し役です。

01 / QUICK GUIDE

まず、30秒でつかむ

  • 01

    東京大学の松尾・岩澤研究室は2026年8月14日、非IT人材向けの『AXエバンジェリスト講座』の募集を始めました。開講は9月の予定です。

  • 02

    全7回の無料オンライン講座で、生成AIの基本、営業・経理・人事・生産管理での活用、RAG、AIエージェント、セキュリティ、著作権、社内展開を学びます。

  • 03

    ただし社会人は個人で申し込めず、企業や団体ごとに原則10名以上をまとめる必要があります。定員、締切、各回の日付、受講後の成果はまだ公表されていません。

02 / KEY WORDS

専門用語を、やさしく。

ここだけ押さえれば、残りの本文はスムーズに読めます。

AX
AI Transformationの略で、AIを使うことを前提に仕事の手順や組織のあり方を見直す考え方です。単にAIツールを契約することではありません。
エバンジェリスト
技術の使い方と価値を周囲へ伝え、利用を広げる人です。今回の講座では、AIを自分で使うだけでなく、社内定着を進める役割を指します。
RAG
Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成の略です。AIが社内資料などを探し、その内容を根拠に回答する仕組みです。
AIガバナンス
AIを安全かつ責任を持って使うために、利用目的、禁止事項、確認する人、データ管理、問題が起きたときの対応を決めて運用することです。

03 / THE FACTS

何が起きたのか

松尾・岩澤研究室は8月14日14時、『AXエバンジェリスト講座』の募集を開始しました。講座は2026年9月に始まる予定ですが、各回の開催日と申込締切は講座ページで後日公開されます。

講座は全7回で、毎週木曜日の19時から21時、オンラインで開催する予定です。参加費は無料で、AI、プログラミング、英語の事前知識は問わないと説明されています。

学ぶ内容は、生成AIの基本操作、文書作成、情報整理、分析から始まります。営業、経理、人事、生産管理を題材にし、社内データを参照するRAGや、複数の作業を進めるAIエージェントにも触れます。

さらに、情報セキュリティ、著作権、社内規程などの基礎を学び、慎重な人へ効果とリスクを伝える方法まで扱います。技術操作だけでなく、組織へ広げる行動を講座名の中心に置いています。

社会人は企業、官公庁、自治体などの団体単位で、原則10名以上をまとめて申し込みます。個人申込はできません。5回以上の出席と全体レポートの提出を修了要件とする予定です。

THE CONCLUSION

つまり、何が重要なのか

結論から言うと、この講座が狙うのはAI専門家の大量育成ではありません。現場の仕事を知る人が、AIを試し、安全な使い方を説明し、組織へ広げる役割を持つことです。

内容は初心者向けですが、誰でも今すぐ個人参加できるわけではありません。社会人は所属企業や団体から原則10名以上で申し込み、参加後も社内で実践することが前提の設計です。

04 / THE CONTEXT

なぜ、今これが重要なのか

多くの職場では、生成AIの利用者が一部に偏っています。個人の便利な使い方は増えても、社内データを扱う基準や、成果を測る方法が決まらず、部署全体へ広がらないことがあります。

IT部門だけでは、営業、経理、人事、生産管理の細かな仕事をすべて理解できません。現場を知る人がAIの基本とリスクを学び、専門部門との通訳役になる必要があります。

研究室は、既存ツール活用から社内データ連携、業務全体の刷新へ段階的に進む考え方を示しています。いきなり高度な独自AIを作るのではなく、最初の二段階を進める人を全国で増やす狙いです。

05 / WHAT IT MEANS FOR YOU

私たちには、何が変わる?

会社員にとって、これから評価されるのは『AIに詳しい人』だけではありません。自分の業務を分解し、AIを使う場所と人が確認する場所を説明できる人の価値が高まります。

企業にとっては、受講者を集めるだけでは成果になりません。講座後に試す業務、守るデータ、測る数字、相談先を用意しなければ、学びが個人の知識で止まります。

無料講座でも参加条件は軽くありません。社会人は原則10名以上をまとめ、平日夜の全7回へ参加し、レポートを提出する予定です。担当者は業務時間や社内支援も含めて判断する必要があります。

発表には、日本全体のAXが実質GDP成長率を最大で年1.6ポイント押し上げる可能性があるという研究室の試算もあります。これは将来の推計であり、今回の講座が生んだ実績ではありません。

07 / NEXT ACTION

今日から、どう動くか

  1. 01

    自部署で毎週繰り返す仕事を一つ選び、入力、判断、出力、人の確認に分けて書き出す。

  2. 02

    講座参加を検討する企業は、候補者10名だけでなく、IT・法務の相談担当と試行する業務を先に決める。

  3. 03

    AI活用の共有会を30分だけ開き、成功例と同時に、誤り、入力してはいけない情報、止めた判断も記録する。

BOTTOM LINE

AIを組織へ広げる鍵は、最も詳しい一人ではありません。現場の仕事と安全のルールをつなぎ、小さな実践を共有できる人です。

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