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完成前の新築マンションもAIで値付け——「誤差6.1%」をそのまま信じてはいけない理由

マンション価格をAIがすぐ出してくれても、それは『この金額で買える』『この金額で売れる』という保証ではありません。とくに完成前の物件では、精度数字の対象を確かめる必要があります。

01 / QUICK GUIDE

まず、30秒でつかむ

  • 01

    MFSは2026年8月12日、無料の不動産AI査定サービス「CAPS」で、未竣工の新築マンション525棟を新たに調べられるようにしたと発表しました。

  • 02

    CAPSは約450万件の募集データと400を超える条件を使い、価格、賃料、利回りを推定します。既存の対象は全国約14.6万棟です。

  • 03

    東京23区6.1%、全国7.4%という誤差率は、1981年6月以降に建てられた既存マンションと売出価格を比べた企業公表値です。今回追加した未竣工物件の精度ではありません。

02 / KEY WORDS

専門用語を、やさしく。

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未竣工マンション
建物がまだ完成していない段階で販売されているマンションです。実物の部屋や管理状態を確認できず、図面や計画を基に判断する部分が多くなります。
AI査定
過去の価格や物件条件を学んだ計算モデルが、対象物件の価格を推定する仕組みです。不動産鑑定士の鑑定や売買契約の価格とは別物です。
MER
Median Error Rate、つまり誤差率の中央値です。MERが6.1%なら、評価対象の半分は誤差がおおむね6.1%以内、残り半分はそれ以上だったと読みます。
特徴量
AIが価格を考える手掛かりです。CAPSでは所在地、築年数、広さ、階数、駅の利用者数、将来人口の予測など400を超える項目を使うと説明されています。

03 / THE FACTS

何が起きたのか

CAPSは、2026年7月に公開されたマンション向けAI査定サービスです。今回の発表では、これまでの既存マンションに加え、まだ建物が完成していない新築マンション525棟を今月の対象へ加えました。

既存物件の対象は全国約14.6万棟で、全国のマンションの90%をカバーするとMFSは説明しています。この90%は提携先のPropre Baseによる推計で、行政統計が直接確認した割合ではありません。

価格モデルは、売買と賃貸を合わせた約450万件の募集データを学習しています。所在地、築年数、専有面積、階数だけでなく、駅の利用者数や将来人口の予測など400を超える特徴量を使います。

企業公表のMERは、1981年6月以降に建てられた既存マンションで、東京23区6.1%、全国7.4%です。2026年7月時点のAI査定価格を、実際に広告へ出た売出価格と比べた数字です。

売出価格は売主が希望する価格であり、最終的な成約価格とは限りません。また、未竣工物件だけを分けた誤差、地域別の件数、極端に外れた例は公表されていません。

THE CONCLUSION

つまり、何が重要なのか

MFSは8月12日、CAPSの対象に未竣工の新築マンション525棟を追加し、今後も毎月増やすと発表しました。利用者は完成前でも、AIが推定した価格、想定賃料、想定利回りを無料で確認できます。

便利さと精度の証明は分けて考える必要があります。同社が示すMER6.1%と7.4%は既存物件の検証値で、未竣工の525棟に同じ精度が出ると確認されたわけではありません。

04 / THE CONTEXT

なぜ、今これが重要なのか

新築マンションは、建物が完成する前から販売されることが多く、購入者はモデルルーム、図面、周辺物件を基に判断します。周辺相場と比べる共通の物差しが求められています。

不動産情報が増え、駅や人口などの公開データも組み合わせやすくなったことで、人が表を一件ずつ比べるより多くの条件をAIで処理できるようになりました。

一方、新築には広告費、ブランド、販売時期、設備、将来への期待が上乗せされます。過去の既存物件から学んだモデルを新しい領域へ広げるときは、別の精度確認が必要です。

05 / WHAT IT MEANS FOR YOU

私たちには、何が変わる?

購入を考える人は、販売価格とAI査定の差を見て質問を作れます。たとえば販売価格が大きく高ければ、眺望、設備、保証、再開発など、差を説明する材料を販売会社へ尋ねられます。

ただしAI査定が5,000万円だから、5,000万円で買える、将来その金額で売れるとは限りません。住宅ローン金利、管理費、修繕積立金、災害リスクも別に確認する必要があります。

MER6.1%は、すべての査定が6.1%以内という意味ではありません。仮に5,000万円なら6.1%は305万円ですが、中央値より大きく外れる物件も半分あり得るという読み方が必要です。

サービスを評価する側は、平均的な精度だけでなく、未竣工物件、地方、超高額物件など条件ごとの誤差分布を求めるべきです。大きな買い物では外れ値の影響が重くなります。

07 / NEXT ACTION

今日から、どう動くか

  1. 01

    気になる物件をCAPSで確認し、販売価格との差と、その差を説明できそうな設備や立地条件をメモする。

  2. 02

    査定画面では数値だけでなく、比較対象が売出価格か成約価格か、対象時期と地域、誤差指標を確認する。

  3. 03

    購入判断ではAI査定に加え、住宅ローン、毎月の管理費、修繕計画、災害リスク、周辺の成約事例を並べる。

BOTTOM LINE

未竣工物件のAI査定は価格交渉の答えではなく、販売価格の根拠を問い直すための新しい物差しです。

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