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社内AIは自分たちで作る?任せる?——IIJが2つの導入メニューを開始

社内でAIを使い続けるには、便利なAIを選ぶだけでなく、業務用アプリを作り、直していく担当者が必要です。IIJは、現場担当者が作る方法と、開発を任せる方法を選べる企業向けサービスを始めました。

01 / QUICK GUIDE

まず、30秒でつかむ

  • 01

    インターネットイニシアティブ(IIJ)は9月9日、生成AIの導入から運用・定着まで支援するサービスを開始しました。Microsoft Azureというクラウド上に、企業ごとの専用AI環境を構築します。

  • 02

    メニューは『with Dify』と『スターター』の二つです。前者は現場担当者が業務に合うAIアプリを作る方向、後者はIIJが用意した機能を使い、必要な追加開発も依頼する方向で設計されています。

  • 03

    両方とも、利用者の確認や権限管理、社内資料を参照した回答などに対応します。誰でもすぐ登録できる一般向けアプリではなく、会社ごとの要件と支援範囲に応じて見積もるサービスです。

02 / KEY WORDS

専門用語を、やさしく。

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Dify
画面上で処理の流れを組み、生成AIを使うアプリを開発するための基盤です。今回のメニューでは、社内担当者が開発する環境に使われます。
RAG
検索拡張生成と呼ばれる仕組みです。社内資料などから質問に関係する情報を探し、その内容を材料としてAIが回答を組み立てます。
アクセス制御
どの利用者が、どのアプリや情報を使えるかを決める仕組みです。会社の全員に同じ資料や機能を見せるとは限らないために必要になります。

03 / THE FACTS

何が起きたのか

公式サイトの発表日は2026年9月9日で、企業配信は同日11時10分です。本文が『本日より提供開始』と明記しているため、将来の提供予告ではなく、9月9日に開始したサービスです。

AIの利用基盤は特定の大規模言語モデル、つまり文章などを理解・生成するAIに固定されません。用途や要件に合わせてモデルを選択し、追加や変更ができるとIIJは説明しています。

with Difyでは、IIJがAzureとDifyの環境を構築・運用保守し、サンプルや開発者向け支援を提供します。現場担当者は、その基盤を使って自分たちの業務向けアプリを作る役割です。

スターターには、チャット、プレゼンテーション資料の生成、文書のレビューなどを備えたIIJ独自の基盤を用意します。業務に合わせたAIアプリや、作業を進めるAIエージェントの個別開発にも対応します。

どちらも社内資料を検索して回答に使うRAGや、既存システムとの連携に対応します。価格は個別見積もりで、全企業に共通する月額料金や、効果を保証する数値は公表されていません。

THE CONCLUSION

つまり、何が重要なのか

二つのメニューの違いは、単に高機能かどうかではありません。自社で業務用アプリを増やしていくか、IIJへ開発を依頼するかという、作り手の違いが示されています。

機能表だけで選ばず、自社に開発担当を置けるか、運用をどこまで任せたいかを確認する必要があります。導入後の保守と活用支援も含めて、必要な範囲を選ぶ仕組みです。

04 / THE CONTEXT

なぜ、今これが重要なのか

IIJが挙げる導入上の課題は、情報の扱いや利用管理、AIが参照するデータの整備、専門人材の不足です。AIを使える環境を入れても、それだけでは組織的な利用が定着しないと説明しています。

対象業務や推進体制が決まらないことも、同社が指摘する課題です。このサービスでは、アプリを作る環境だけでなく、どの仕事から取り組むか、利用のルールをどう整えるかも支援対象にしています。

公式案内では、情報がファイルサーバーや業務システムに分散する場合の収集・整備も支援するとしています。AIへの質問の工夫とは別に、答えの材料となる社内データを準備する工程があります。

05 / WHAT IT MEANS FOR YOU

私たちには、何が変わる?

たとえば、総務への同じ問い合わせを減らす社内アプリを考えてみましょう。担当者が社内規程を選び、試しに質問し、規程の変更に合わせて回答を直す。この小さなアプリにも、継続して手を入れる人が必要です。

この例で現場担当がアプリを作るならwith Dify、必要な機能の開発をIIJに依頼するならスターターが検討対象になります。ただし、参照させる規程が最新か、回答が適切かを確認する担当は別途整理が必要です。

公式案内では、顧客が契約するAzure環境で認証、権限、利用記録を管理するとしています。これらの機能があることと、入力するすべての情報を無条件で安全に扱えることは同じではありません。

運用保守や定着支援は必要な範囲を選べ、自社で運用する場合は最小限の構成も可能と案内されています。『任せられる』という説明だけで、すべての作業が基本料金に含まれるとは判断できません。

07 / NEXT ACTION

今日から、どう動くか

  1. 01

    対象にする業務を一つ選び、利用者、参照資料、アプリを直す人、回答を確認する人を書き出してください。まず『作った後を誰が担当するか』まで決めてから、必要なメニューを比較します。

  2. 02

    見積もりでは、環境構築、クラウド利用、AIモデルの利用、個別開発、運用保守、研修の費用と範囲を分けて確認しましょう。すべてが同じ契約や料金に含まれると想定せず、内訳を聞いてください。

  3. 03

    試験導入では、使ってよい資料を選び、権限の違う利用者での動作や回答の根拠を点検します。答えられない質問への対応と、規程を更新するときの手順も確認項目に含めましょう。

BOTTOM LINE

IIJの新サービスは、社内AIの機能だけでなく作り手と運用体制を選ぶものであり、自社の担当者と改善手順を整理するところから検討できます。

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