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AIを使っているのに、会社の仕事は変わらない?——日本1,010人の調査から考える次の一歩

AIで下書きは速くなった。でも、もし確認や引き継ぎの時間が減っていないなら——個人の便利さを、会社全体の成果につなげるには何を見直せばよいのでしょうか。

01 / QUICK GUIDE

まず、30秒でつかむ

  • 01

    Notionは日本の働き手1,010人の回答から、AI活用の進み方と組織の課題を分析しました。

  • 02

    個人で相談や下書きに使う段階が目立ち、チームへの組み込みや成果の測定が論点になっています。

  • 03

    アンケートの傾向を示した調査です。特定のAIを導入すれば利益が増えると証明したものではありません。

02 / KEY WORDS

専門用語を、やさしく。

ここだけ押さえれば、残りの本文はスムーズに読めます。

投資対効果(ROI)
かけた費用に対して、どの程度の成果を得たかを確かめる考え方です。AIでは利用料だけでなく、準備や確認に使う人の時間も考えます。
業務への組み込み
AIを別の相談相手として使うだけでなく、資料の受け取り、作成、確認、引き継ぎといった一連の仕事の中で使えるようにすることです。
ガバナンス
誰が何を決め、どのルールで運用し、問題が起きた時に誰が対応するかを整えることです。AIでは利用できる情報や承認の範囲も含みます。
オンラインパネル調査
調査に協力するために登録した人へ、インターネットで質問する方法です。回答者の構成によって結果が変わり、全国民を直接測る方法ではありません。

03 / THE FACTS

何が起きたのか

Notion Labs Japanは9月4日11時、「グローバルAI変革調査2026」の日本版レポートを公表しました。調査したのは3月19日から5月19日で、9月時点の利用状況を直接聞いたものではありません。

対象となった日本の回答は、意思決定者337人と現場担当者673人の計1,010人です。世界10の国・地域の計6,118人と比較しています。調査にはQualtricsのオンラインパネルを使いました。

Notionは活用を四段階に整理しています。個人の思考支援、日常業務の補助、チーム単位の反復作業、重要で複雑な工程の実行という区分です。これは同社の分析上の物差しです。

日本では最初の思考支援段階が66%、世界全体では57%とされました。この差だけで日本のAI技術が低いとは言えません。調査対象の仕事や、何を任せているかが異なるためです。

意思決定者による成果測定の実施率は、前半の二段階で18%、後半の二段階で48%でした。比較しているのは取り組みの有無であり、利益が48%増えたという数字ではありません。

THE CONCLUSION

つまり、何が重要なのか

調査が示すのは、個人で便利に使うことと、チーム全体で安定して成果を出すことの間に、別の課題があるという点です。ツールの数だけで進み具合は判断できません。

一方、組織の成熟度と成果測定が同時に見られたからといって、測定だけが成熟を生んだとは言えません。調査は、自社で何を確かめるべきかを考える出発点になります。

04 / THE CONTEXT

なぜ、今これが重要なのか

個人がAIで文章を作る場合、自分だけが便利なら使い始められます。チームで使うと、その文章を誰が確認し、どこへ保存し、次の担当者へどう渡すかも必要になります。

また、資料を探す時間が長い会社では、文章を作るAIだけを配っても、仕事全体の待ち時間は残ります。作成前の情報探しと、作成後の確認を含めて考える必要があります。

ただし、資料を一か所へ集めればよいとも限りません。見られる人が限られる顧客情報や人事資料は、便利さのために共有範囲を広げず、適切な権限を保つことが前提です。

05 / WHAT IT MEANS FOR YOU

私たちには、何が変わる?

たとえば議事録をAIで作る場合、作成時間が短くなっても、担当者名や期限の修正が増えれば、次の仕事へ進むまでの時間は減らないことがあります。作成だけでなく確認と配布まで測ります。

利用回数を目標にすると、AIを使う必要のない作業まで増やすことがあります。最初に、会議後の決定事項を当日中に共有するなど、仕事として望む結果を一つ決めます。

調査の『世界との差』も、そのまま自社の目標にはしません。規模や業種、扱う情報、回答者の役割が違うためです。自社の同じ業務を、導入前後で比較するほうが具体的な判断につながります。

Notion自身が調査を公表するサービス提供企業である点も押さえたいところです。分析は参考になりますが、同社製品を使った人の改善を比較実験で証明した結果として読むことはできません。

07 / NEXT ACTION

今日から、どう動くか

  1. 01

    繰り返す業務を一つ選び、資料探し、作成、確認、引き継ぎにかかる時間を分けて記録する。

  2. 02

    AIに渡してよい資料、確認する担当者、成果物の保存先を短い手順書にまとめる。

  3. 03

    利用回数ではなく、修正時間や仕事が完了するまでの時間を導入前後で比べる。

BOTTOM LINE

組織のAI活用を進めるには、使う人を増やすだけでなく、仕事の流れと確認の手順を整え、成果を測ることが必要です。

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