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← 今日のニュース2026.08.09 / Fujin編集約8分で読めます

テレビCMの映像を生成AIで全編制作——『全部AI』ではないからこそ見える仕事の変化

『映像は全編AIで制作』と聞くと、人が企画から仕上げまでボタン一つで済ませたように見えます。しかし今回AIが使われたのは映像部分です。何をAIに任せ、何を人が担ったのかを分けて読むことが大切です。

01 / QUICK GUIDE

まず、30秒でつかむ

  • 01

    テレビ朝日は2026年8月9日、GREEN DA・KA・RAを題材にした30秒CMの映像全編を生成AIで制作したと発表しました。

  • 02

    テロップ、音声、ナレーションにはAIを使っていません。人による企画や選定、編集まで自動化したとの説明もなく、『CM全部がAI』ではありません。

  • 03

    同日13時55分からの男子バスケットボール日本代表戦中継内などで放送予定ですが、発表時点は放送前で、広告効果はまだ確認できません。

02 / KEY WORDS

専門用語を、やさしく。

ここだけ押さえれば、残りの本文はスムーズに読めます。

生成AI
文章、画像、音声、動画などの新しい素材を、学習したパターンを基に作るAIです。完成物を自動で保証する仕組みではありません。
生成動画
指示文や画像を基にAIが作る映像です。短い場面を何度も生成し、人が選び、つなぎ、修正して作品にする使い方があります。
テロップ
映像の上に表示する商品名や説明などの文字です。今回の発表では、テロップにAIは使われていないと明記されています。
AIポリシー
企業がAIを使う際の考え方や守る原則を定めたものです。個別作品で実際に行った確認作業とは分けて見る必要があります。

03 / THE FACTS

何が起きたのか

CMは、ブランドのハート型モチーフに水分が浸透する様子や、親子のお出かけ、運動、部活動など夏の場面を描き、水分補給の大切さを伝える内容です。

テレビ朝日は、映像部分を全編生成AIで作ったと説明しています。一方、画面上の文字、音声、ナレーションにはAIを使っておらず、ナレーションは同局アナウンサーが担当します。

制作を担ったAIクリエイティブスタジオは、テレビ朝日が2026年4月に発足させた組織です。今回が、その取り組みを地上波広告へ出す最初の事例になります。

公表は8月9日6時で、予定される最初の放送より約8時間前でした。したがって発表時点では、視聴者の反応や商品への効果が出たというニュースではありません。

同社は既存のAIポリシーと社内ガイドラインに沿ったと説明していますが、このCMで使ったモデル名や具体的な確認工程は明らかにしていません。

THE CONCLUSION

つまり、何が重要なのか

テレビ朝日は8月9日6時、同局で初めて映像全編に生成AIを用いたテレビCMを制作したと発表しました。商品はサントリーの水分補給飲料GREEN DA・KA・RAで、作品は30秒です。

放送は同日13時55分からの男子バスケットボール日本代表対モンゴル戦中継内などを予定しています。制作はテレビ朝日のAIクリエイティブスタジオとAI modelが担当しました。

04 / THE CONTEXT

なぜ、今これが重要なのか

生成動画は、短い試作品やSNS投稿から、品質や権利への要求が高い広告へ広がっています。テレビCMは多くの人が同時に見るため、使い方の説明も注目されます。

動画AIは一度で完成品を作るというより、多数の候補を短時間で出す道具として使われます。撮影できない表現を試し、制作者が選ぶことで、新しい映像づくりが可能になります。

同時に、『フルAI』という言葉は自動化の範囲を大きく見せやすい表現です。AIを使った素材と、人が担った企画、演出、編集、音声を分けて示す必要があります。

05 / WHAT IT MEANS FOR YOU

私たちには、何が変わる?

視聴者にとっては、AI映像が特別な実験ではなく、普段見る広告へ入る変化です。見た目だけでAI製か判断しにくいため、制作側の説明が信頼につながります。

制作者にとっては、撮影を完全に置き換えるというより、表現候補を増やす新しい工程です。何を作らせ、何を採用し、ブランドらしさをどう守るかという判断は残ります。

広告主は、速度や費用だけでなく、学習データ、既存作品との類似、人物や商標、誤解を招く表現を確認する必要があります。今回は権利確認の具体策が未公表です。

使用モデル、制作期間、費用、従来比の削減率も示されていません。生成AIで作ったという事実だけから、安く速くなった、成果が高かったと断定することはできません。

07 / NEXT ACTION

今日から、どう動くか

  1. 01

    AI制作物を見るときは、『映像・文字・音声・企画・編集のどこにAIを使ったか』を分けて確認する。

  2. 02

    自社で試す場合は、AIを使う範囲、採用判断者、類似・権利確認、公開前承認を一枚の制作記録へ残す。

  3. 03

    効果測定では制作時間と費用に加え、理解度、ブランド好感、苦情、修正回数を従来作品と比較する。

BOTTOM LINE

今回の『映像全編AI』は、CM制作の全自動化ではありません。新しい制作手段を正しく評価する鍵は、AIを使った範囲と人の責任を明確にすることです。

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